2024年10月26日
- 認知行動療法
抑うつ症状へのカウンセリング(認知行動療法)
こんにちは、認知行動療法カウンセリングセンター大阪店の岡村です。今回は抑うつ症状をテーマにお話しします。抑うつ感や気分の落ち込みに悩んでいる方も多く、うつ病とまではいかなくとも、何をしても気持ちが上がらない、意欲が湧かないといった状態に悩むこともあるのではないでしょうか。そこで、皆さんにもなじみ深い「ドラクエ」を例に、抑うつ状態の辛さと対処法についてわかりやすくお伝えしたいと思います。
カウンセリングで見られる抑うつの実態
抑うつについてこのテーマを選んだ理由の一つは、日々のカウンセリング業務で抑うつに悩む方々と向き合うことが多いからです。さらに、私自身も軽度の抑うつ感と向き合っており、その経験からこのテーマを取り上げることにしました。一般的に「抑うつ」というと何か明確な原因があるように捉えられがちですが、実際には原因がはっきりしないことも多く、自分でもどうしてこんなに気分が落ち込むのか理解できないケースもあります。
抑うつの辛さを「ドラクエ」で表現すると
ドラクエのようなRPGを例にすると、抑うつは「徹夜明けのような体力消耗が何日も続く」感覚に似ています。何をしても気力が回復しきらず、やるべきことに手を付けるのも難しい。このような感覚を持ったことがある方も多いのではないでしょうか。ドラクエの中で強敵に連続で攻撃を受けた時、回復しようとしても間に合わない…そんな感覚が日常に続くと、抑うつ感はさらに重くなります。
また、抑うつ状態になると、些細な出来事や普段なら気にしないようなことが、ドラクエで言う「会心の一撃」のように大きなダメージとなって自分に返ってきます。ちょっとした言葉や人とのやり取りに深く傷ついてしまい、それが頭から離れないこともあります。このような状況が続くと、心の中に「毒」が溜まり続けるような感覚になり、次第に人との接触やSNSなどのコミュニケーションから距離を置きたくなる方も多くいます。
抑うつ状態での対処法:日常生活に取り入れたい工夫
抑うつ感から抜け出すには、少しずつの変化を積み重ねることが大切です。例えば、息抜きに映画を観る、散歩に出る、など一見シンプルな行動が、抑うつ状態には大きな効果を持つことがあります。また、認知行動療法でお勧めしている「リフレーミング」も日常に取り入れると、少しずつ気持ちが軽くなるかもしれません。リフレーミングとは、考え方を少しだけ変えてみる手法です。例えば、「今日は一歩進めた」と小さな達成を感じることで、気持ちが楽になる場合があります。負のループに陥らないように、自分を少しずつ励まし、行動に変化をつけることがポイントです。
さらに、何かを達成したり楽しみを感じたりすることで、少しずつ心の中の「毒」を抜き、日常の苦しさを減らしていきます。とはいえ、抑うつ状態の中では何かを続けることが難しいため、最初はほんの少しの変化から取り入れてみることをおすすめします。
抑うつと戦うことの難しさ:仕事への影響
抑うつ状態は仕事にも大きく影響します。特に経営者やカウンセラーのような職業では、判断力や冷静さが必要不可欠です。抑うつの状態では、普段であれば冷静に判断できることが難しくなり、マイナス思考にとらわれがちです。ドラクエの例で言えば、攻撃を受け続けて「ルカニ」のデバフがかかったように防御力が下がり、些細なことでも耐えきれなくなってしまうような状態です。
こうした時期は、現状を冷静に判断できず、「このままではすべてがうまくいかなくなるのでは」といった不安や悲観的な思考に囚われやすくなります。そのため、重要な決断をすることも難しくなり、判断に時間がかかることが増え、周りのサポートも必要になります。こうした状況に自分を追い込まないためにも、まずは自分を責めず、少しずつ「できること」に目を向けていきましょう。
まとめ
抑うつ感と戦うには、無理をせずできる範囲で対策を考えることが大切です。まずは日常的な小さな目標を設定し、それを少しずつクリアすることで自信をつけていくのが効果的です。抑うつ状態では自信を失いやすいため、小さな成功体験を積むことで、心の負担が少しずつ和らいでいきます。また、普段と違うルートで散歩に出てみたり、食事の時間に新しいメニューに挑戦するなど、小さな変化を加えることで、気分の改善を図ることができます。
認知行動療法カウンセリングセンター大阪店では、こうした抑うつに関するご相談やカウンセリングを通して、皆さんが少しずつ元気を取り戻せるようサポートを行っています。小さなことでも構いませんので、抑うつ感に悩む方はぜひ一度ご相談ください。
認知行動療法カウンセリングセンター大阪店
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