2025年03月21日
- メンタルヘルス認知行動療法
セルフケアに役立つ認知行動療法:自然治癒を妨げるものとは?

1. はじめに:本来備わっている「回復する力」
私たちには、体や心のバランスが崩れても、自然と元の状態に戻ろうとする「回復する力」が備わっています。例えば、風邪をひいても数日経てば体調が良くなることや、辛い出来事があっても時間とともに気持ちが軽くなるのは、この自然な力が働いている証拠です。
しかし、この「自然に回復する力」がうまく働かなくなる場合があります。その背景には、日常の「ものの見方(認知)」や「行動のパターン」が関係していることが少なくありません。認知行動療法では、こうした妨げとなる要素を見つけ、回復の力が働きやすい環境を整えることができます。
2. 自然治癒を妨げる要因とは?
自然治癒の力がうまく発揮されない場合、次のようなパターンが見られることがあります。
① 考え方のクセが回復の妨げに
物事の見方や捉え方が偏っていると、自然治癒の力が発揮されにくくなります。
例)「自分にはどうせできない」「頑張っても無駄だ」 このように、挑戦する前から「失敗する」と決めつけてしまうと、次第にチャレンジする意欲が失われていきます。その結果、回復の機会を自ら遠ざけてしまうことになりかねません。
② 行動を避けることで回復の機会を逃す
気分が落ち込んだり、不安が強くなったとき、「今は無理だから何もしない」と行動を避けてしまうことがあります。
例)「気分が落ち込んでいるから外出はやめておこう」「人と話すのが怖いから一人でいたほうが楽だ」 一時的には気持ちが楽になりますが、行動を避けることが習慣になると、「やってみたら気持ちが変わったかもしれない」という可能性を失い、さらに落ち込みや不安が強まることがあります。
3. 認知行動療法で回復の妨げを取り除く
認知行動療法では、こうした「回復の妨げ」となっている認知や行動のパターンを見つけ、少しずつ変えていきます。無理に前向きな考えを持とうとするのではなく、「回復しやすい状態を整える」ことを目指します。
① 考え方の柔軟性を取り戻す
「自分には無理だ」という考えを「今回は違う方法で試してみよう」「小さな一歩から始めてみよう」と捉え直すことで、次の行動につながりやすくなります。
例)
- 「人前で話すのは苦手だから避けたい」→「まずは1対1の会話から練習してみよう」
- 「頑張ってもうまくいかない」→「今度は別のやり方で試してみよう」
② 小さな行動を積み重ねる
「何もしたくない」と感じたときでも、「とりあえず5分だけやってみる」「LINEで友達に一言送る」など、できる範囲の行動から始めると、自然治癒の力が再び働き始めることがあります。
例)
- 気分が落ち込んでいるとき → 5分だけ散歩に出る
- 人と話すのが不安 → まずはメッセージのやり取りから始める
4. 認知行動療法と自然治癒は両輪
認知行動療法は、あくまで「自然治癒の妨げを取り除く手助け」です。無理に変わろうとするのではなく、「自分本来の回復力を取り戻す」ことを大切にします。
認知行動療法を受けることで、「できることが増えた」「自分にもできるかもしれない」という感覚が少しずつ芽生えると、自然治癒の力はさらに活性化します。
5. おわりに
「自分には回復する力がある」と信じることは、自然治癒の力を高める大切な要素です。認知行動療法は、その力が働きやすくなるようにサポートする役割を果たします。
「焦らず、今できることから始める」――その一歩が、自然に回復の流れを引き寄せるかもしれません。
認知行動療法カウンセリングセンター大阪店では、「自分の力を信じて一歩踏み出したい」と思う方のサポートを大切にしています。ぜひ、お気軽にご相談ください。
認知行動療法カウンセリングセンター大阪店
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