2024年10月02日
- 認知行動療法
うつ病のカウンセリング(認知行動療法)について
皆さんこんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター大阪店の岡村です。本日は、うつ病に悩む方がカウンセリングを受ける際の流れについて、認知行動療法(CBT)の観点から詳しくご説明します。うつ病に苦しんでいる方々の中には、「何をしても楽しくない」「日々の生活が辛い」といった気持ちを抱えている方が多くいます。そうした状況に対して、認知行動療法は非常に有効な手段であり、日常生活の質を向上させるために多くの方に活用されています。
うつ病とは?
うつ病は、気分が持続的に落ち込み、興味や喜びを感じにくくなる精神疾患です。典型的な症状には、倦怠感、不眠、過剰な睡眠、食欲の変化、集中力の低下、自責感、そして最悪の場合には死への思いなどがあります。これらの症状は、仕事や家庭生活、社会的な活動に大きな影響を与えることが多く、長期間にわたって持続することがあります。うつ病の原因は、多くの場合、ストレスや遺伝的要因、脳内の神経伝達物質の不均衡など、複数の要因が絡み合っています。
認知行動療法(CBT)とは?
認知行動療法(CBT)は、うつ病や不安障害などの精神的な問題に対する有効な改善法です。このアプローチでは、思考(認知)が感情や行動にどのように影響を与えているかに焦点を当て、そのパターンを理解し、修正していくことで症状を改善していきます。たとえば、「自分は価値がない」「何をやっても無駄だ」といった思考が繰り返されることで、気分がさらに落ち込み、行動が制限されてしまうことがあります。CBTでは、まずこれらの思考に気づき、それを現実的かつバランスの取れた考え方に変えていく練習を行います。
カウンセリングの流れ
1. 最初のセッション
最初のセッションでは、クライエントがどのような困難に直面しているかを詳しくお聞きします。うつ病の症状は人それぞれ異なるため、まずはその人特有の症状や生活上の問題を一緒に整理していきます。例えば、「朝起きるのが辛い」「何をしても楽しめない」「常に罪悪感を抱えている」といった具体的な悩みについて話し合います。この段階では、クライエントが直面している問題の全体像を把握することが重要です。
2. 認知の見直し
次に、日常生活で感じている思考パターンを見直していきます。例えば、少しのミスで「自分は全くダメだ」と感じたり、先のことを考えると「もうどうにもならない」と思い込んでしまう場合があります。このような思考は、感情や行動に大きな影響を与え、さらに気分を落ち込ませる原因となります。
CBTでは、こうした思考に気づき、異なる見方をする練習をします。例えば、失敗した時に「次はどう改善できるか」という視点に立つことで、現実的かつ建設的な考え方ができるようになります。これにより、感情のコントロールがしやすくなり、行動に前向きな変化をもたらすことが期待されます。
3. 行動の改善
うつ病の症状として、活動が制限され、何もしたくないという感情が強くなることがよくあります。これにより、家に閉じこもりがちになったり、社会的な活動から遠ざかってしまうことが多いです。認知行動療法では、こうした「気分一致行動」を避け、「気分不一致行動」を促進します。具体的には、「気分が沈んでいるけれど、あえて散歩に出てみる」「やる気がないけれど、少しだけ家事をしてみる」といった行動を取り入れることで、気分の改善を図ります。
こうした小さな行動の積み重ねが、うつ病の悪循環を断ち切る手助けになります。カウンセラーと一緒に現実的な行動計画を立て、少しずつ生活に変化をもたらしていきます。
4. 行動活性化
行動活性化とは、日常生活における活動を少しずつ増やしていくアプローチです。特に、以前は楽しんでいた活動や、日常的に行っていた活動を再開することを目指します。カウンセラーは、クライエントの生活スタイルに合わせて、無理のない範囲で行動計画を一緒に作成し、その実施をサポートします。
認知行動療法の効果
認知行動療法の大きなメリットは、クライエントが自分自身で問題に対処できるスキルを学べる点です。セッションを通じて学んだ技術を日常生活でも活用することで、長期的な改善が期待できます。また、薬物療法と組み合わせることで、さらに効果的な改善が可能になります。短期間で成果が見られることが多いCBTは、忙しい現代の生活にも適しており、実践的な方法です。
大阪店でのサポート
認知行動療法カウンセリングセンター大阪店では、うつ病に悩む方々に対して、個々の状況に合わせたカウンセリングを提供しています。私たちのカウンセラーは、クライエント一人ひとりの症状や生活スタイルに応じたアプローチを行い、最適な改善計画を一緒に作り上げます。もし、うつ症状でお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。大阪店では、皆さまが健康な心を取り戻すためのサポートを心を込めて行っています。
認知行動療法カウンセリングセンター大阪店
https://osaka.cbt-mental.co.jp/
——筆者情報——
岡村優希
株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役
認知行動療法カウンセリングセンター代表
公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士
個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。
さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。
◆執筆書籍
「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版
「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房
◆テレビ出演
読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日
「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演
◆雑誌掲載
「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号
◆近年の講演実績
2024年2月21日
広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師
2023年2月9日
NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師
2022年7月6日
筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師
その他、学会発表多数
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