2024年10月06日
- メンタルヘルス
50人未満の職場でもできる!ストレスチェックの導入メリットと認知行動療法によるケア
こんにちは、認知行動療法カウンセリングセンター大阪店代表の岡村です。昨今、メンタルヘルスへの関心が高まっており、職場における従業員のストレス管理は非常に重要な課題となっています。特に、職場の規模が小さい場合でも、従業員のストレスを無視することはできません。50人未満の事業所においても、従業員が心身ともに健康な状態で働ける環境づくりが求められています。本記事では、50人未満の事業所におけるストレスチェックの重要性や、その実施方法について詳しく解説します。
ストレスチェック制度とは
ストレスチェック制度は、従業員が抱えるストレスを定期的に評価し、その結果に基づいてメンタルヘルスのケアを行うための制度です。2015年12月に施行された労働安全衛生法の改正によって、従業員50人以上の事業所では、年に1回のストレスチェックが義務化されました。この制度は、従業員が自分自身のストレス状況を把握する機会を提供し、必要に応じて適切な対応を促すことを目的としています。
しかし、従業員50人未満の事業所には、法律上の義務はありません。とはいえ、規模が小さい職場でも、従業員のストレスが業務に悪影響を及ぼすことは十分に考えられます。小規模な事業所でも、従業員のメンタルヘルスを守るために自主的にストレスチェックを導入することが推奨されます。
なぜ50人未満の事業所でもストレスチェックが重要なのか
職場の規模に関わらず、従業員が働く上で感じるストレスは、多岐にわたります。業務量の増加、人間関係のトラブル、将来の不安など、さまざまな要因がストレスを引き起こします。特に、50人未満の小規模な職場では、従業員一人ひとりの役割が大きいため、業務の負担が集中しやすい傾向があります。そのため、従業員が抱えるストレスが表面化しにくく、深刻化するリスクが高まります。
また、小規模事業所では、上司や同僚との距離が近いため、従業員がストレスを訴えることに抵抗を感じる場合も少なくありません。「自分のストレスが他の人に迷惑をかけるのではないか」といった懸念や、「上司に悪く思われるのではないか」という心理的なプレッシャーが原因で、メンタルヘルスに関する問題が見過ごされがちです。その結果、従業員が無理をし続けてしまい、突然の体調不良や、仕事への意欲の低下が生じることがあります。
こうした状況を防ぐためには、ストレスチェックを定期的に実施し、従業員が抱える問題を早期に発見することが重要です。ストレスチェックは、従業員が自分のストレス状態を客観的に把握し、適切な対策を講じるための第一歩となります。
ストレスチェックの実施方法
50人未満の事業所であっても、ストレスチェックの実施は比較的簡単に行うことができます。一般的に、ストレスチェックは質問票形式で行われ、従業員が自分自身のストレス状態を自己評価します。以下は、ストレスチェックの基本的な流れです。
- 質問票の準備
ストレスチェックの質問票は、厚生労働省が提供している標準的な質問票や、事業所のニーズに合わせたカスタマイズが可能なものがあります。質問票では、業務に関する負担や、人間関係、仕事の満足度、身体的な症状など、さまざまな側面からストレスを評価します。 - 回答の集計と分析
従業員が回答した内容を集計し、個別のストレスレベルを評価します。集計結果は、プライバシーを守るために匿名で行うことが一般的です。これにより、従業員が正直に回答しやすい環境が整います。 - フィードバックとケア
集計結果をもとに、ストレスが高いと判断された従業員には、個別にフィードバックを行い、必要に応じてカウンセリングやメンタルヘルスケアを提供します。事業所全体の傾向を把握することで、職場環境の改善策を講じることも可能です。
ストレスチェックを活用した職場環境の改善
ストレスチェックの結果をただ確認するだけでなく、実際に職場環境の改善につなげることが大切です。例えば、以下のような対策が考えられます。
- 業務量の見直し
ストレスチェックの結果、業務量が原因でストレスを感じている従業員が多い場合、業務の分担やフレキシブルな働き方の導入が効果的です。 - コミュニケーションの活性化
人間関係の問題がストレスの要因となっている場合、定期的なミーティングやフィードバックの場を設けることで、従業員同士のコミュニケーションを促進し、ストレスを軽減することができます。 - メンタルヘルスの研修
従業員に対してメンタルヘルスに関する研修を実施し、ストレス管理の重要性を周知させることも有効です。セルフケアの方法や、ストレスサインの見分け方を学ぶことで、従業員自身が早期に対処できるようになります。
最後に
50人未満の事業所においても、従業員のメンタルヘルスは非常に重要です。ストレスチェックを実施することで、早期に問題を発見し、適切な対策を講じることが可能になります。事業規模にかかわらず、従業員一人ひとりの健康を守るための取り組みは、長期的な業績向上にもつながるでしょう。もし、ストレスチェックの導入に興味がある場合は、専門のカウンセラーや医療機関と相談し、実施方法を検討してみてください。
認知行動療法カウンセリングセンター大阪店では、従業員数の少ない職場にも適したストレスチェックやメンタルケアに関するアドバイスを提供しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
認知行動療法カウンセリングセンター大阪店
https://osaka.cbt-mental.co.jp/
——筆者情報——
岡村優希
株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役
認知行動療法カウンセリングセンター代表
公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士
個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。
さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。
◆執筆書籍
「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版
「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房
◆テレビ出演
読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日
「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演
◆雑誌掲載
「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号
◆近年の講演実績
2024年2月21日
広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師
2023年2月9日
NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師
2022年7月6日
筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師
その他、学会発表多数
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