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〜人の視線が気になる・避けてしまう方へ、認知行動療法の実践〜

はじめに

こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター大阪店です。
日常生活や職場・学校などで「人の視線がどうしても気になる」「見られている気がして落ち着かない」というお悩みは、決して珍しくありません。中には、視線を避けたり、人と会うことを控えたりするようになり、生活範囲や人間関係が狭まってしまう方もおられます。

こうした状態は視線恐怖と呼ばれ、認知行動療法(CBT)による支援が有効とされてきました。当センターでは、初回の丁寧な聴き取りから始まり、その方に合ったステップで進めていくことを大切にしています。今回は、大阪店で行っているカウンセリングの流れや具体的な関わり方をご紹介します。


視線恐怖の2つのタイプ

視線恐怖は、大きく分けて次の2種類があります。

  1. 他者視線恐怖
    他人から視線を向けられることに強い不安を感じるタイプです。赤面、発汗、動悸などの身体症状を伴うことがあります。
    例:会議中に誰かがこちらを見ていると感じると、急に緊張して声が出にくくなる。
  2. 自己視線恐怖
    自分の視線が相手を不快にさせるのではないかと心配するタイプです。視線を合わせられず、逆に逸らしすぎて不自然になる場合もあります。
    例:会話中に相手の目を見ることができず、「失礼だと思われているかも」と不安になる。

どちらのタイプも、本人にとっては深刻な苦痛を伴い、学校・職場・家庭など、さまざまな場面に影響を及ぼします。


カウンセリングの進め方

1. 初回の聴き取りとケースフォーミュレーション

まず初回(50分)で、これまでの経緯、困っている場面、身体の反応、考え方のクセ、生活への影響などを詳しくお聞きします。
この情報をもとに、**「きっかけ → 感情・身体反応 → 考え → 行動 → 結果」**の流れを整理し、ケースフォーミュレーション(仮説立て)を行います。

ここで初めて、次のような方法の中から、その方の状況や希望に合わせた進め方を一緒に決めます。


カウンセリングの具体的な関わり方

1. 認知面へのアプローチ

解釈の再検討

「見られている=必ず悪く思われている」という自動的な思い込みを、事実に基づいて見直していきます。
例:

複数の可能性を考える習慣をつけることで、極端な解釈から距離をとりやすくなります。

メタ認知の向上

視線を感じたときの自分の体の反応や心の動きを、“実況中継”するように客観的にとらえる練習です。
例:「今、心臓がドキドキしてきた」「視線を意識して肩に力が入っている」。
このスキルにより、不安や緊張に飲み込まれにくくなります。


2. 行動面へのアプローチ(エクスポージャー・行動実験)

エクスポージャー(段階的曝露)

強い不安を感じる場面に、いきなり長時間挑戦するのではなく、負担の小さい段階から慣れていく方法です。
例:

小さな成功体験を積み重ねることで、徐々に耐性が高まります。

行動実験

「視線を感じると必ず笑われる」という予測を立て、その場に実際に行き、現実と予測の差を確かめます。
例:コンビニでレジの店員と数秒目を合わせてから会計を行い、「笑われなかった」という結果を確認する。


3. セルフコントロールの回復

呼吸法

視線を感じたときに心拍数が上がる場合、ゆっくりとした腹式呼吸で自律神経を整えます。1回の呼吸を10秒程度かけることを目安にします。

マインドフルネス

「視線を浴びている」という状況を、そのまま感じ取り、評価や判断を加えずにやり過ごす練習です。呼吸や足裏の感覚に注意を向ける方法などがあります。

行動の幅を広げる

苦手な場面を少しずつ増やし、「できること」を広げていきます。
例:雑談の参加時間を少しずつ長くしていく、会議で短い発言をするなど。


Q&A

Q1. どれくらいの期間で改善しますか?
A. 個人差はありますが、数ヶ月〜半年程度で変化を実感する方が多いです。週1回または隔週でのカウンセリングと日常での練習が効果的です。

Q2. 他の症状(赤面や動悸)にも対応できますか?
A. はい。視線恐怖と併発する赤面恐怖や社交不安などにも対応しています。

Q3. オンラインでも受けられますか?
A. 大阪店では全国対応のオンラインカウンセリングも行っています。カメラのオン・オフも選択できます。


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