2024年12月26日
- 認知行動療法
大人のADHD改善のためのカウンセリング(認知行動療法)
こんにちは、認知行動療法カウンセリングセンター大阪店のスタッフです。
大人のADHD(注意欠如・多動症)は、注意力の不足や衝動的な行動、多動性を特徴とする神経発達障害です。この状態が原因で、職場や家庭、日常生活において様々な課題に直面する方が多くいらっしゃいます。特に、タスク管理やコミュニケーションの面で困難が生じやすく、それが人間関係の摩擦や自己評価の低下につながることもあります。
本記事では、大人のADHDの特徴を整理した上で、認知行動療法(CBT)のアプローチと仕組み作りを活用した具体的な改善方法をご紹介します。
大人のADHDの特徴
ADHDは注意欠如、多動性、衝動性を主な特徴とします。大人の場合、これらの特徴が以下のような形で表れることが一般的です。
1. 注意欠如
- 細かい作業でのミスが多い
- 会議や会話中に集中力が持続しない
- タスクの優先順位をつけるのが苦手
2. 衝動性
- 考える前に発言や行動をしてしまい、人間関係に影響を及ぼす
- 衝動的な買い物や計画変更で後悔することがある
3. 多動性
- 長時間座り続けることが難しい
- 手や足を動かしていないと落ち着かない
これらの特性は、日常生活でさまざまな支障をもたらす一方で、適切なサポートを受けることで改善が可能です。
大人のADHDによる生活課題
ADHDの影響は、さまざまな場面で現れます。以下に代表的な課題を挙げてみましょう。
1. 職場や学業
- 締切を守ることやタスク管理が苦手
- 集中力の欠如により、成果が出にくい
2. 人間関係
- 衝動的な発言や行動が原因で、家族や友人、同僚との摩擦が生じる
- 忘れっぽさによって信頼を損なうことがある
3. 自己評価
- 「また失敗してしまった」という思考が繰り返され、自己肯定感が低下
- 成果が出ないことによる自信喪失
認知行動療法(CBT)の役割
CBTは、大人のADHDに対する効果的な改善法の一つです。CBTでは、思考や行動を見直し、具体的なスキルを習得することで、生活の質を向上させることを目指します。
CBTの主なアプローチ
- 思考と行動の見直し
- ADHDに伴う否定的な思考や行動パターンを再構築し、より適応的な行動を促します。
- 時間管理スキルの向上
- タスク管理やスケジュール作成、優先順位付けなどの実用的なスキルを習得します。
- 感情の調整
- 衝動的な行動や感情の起伏をコントロールするための方法を学びます。
ADHDの仕組み作り:実践例
CBTに加えて、日常生活に適した仕組み作りを行うことも重要です。以下に具体的な方法をご紹介します。
1. 環境整備
- 物理的な整理:作業スペースを整え、必要のないものは手の届かない場所に収納します。
- 視覚的サポート:ホワイトボードやカラフルな付箋を使い、タスクや予定を一目で確認できるようにします。
2. タスクの小分け
- 目標を小分けにする:大きなタスクを小さく分解し、達成しやすい目標を設定します。
- 短時間の集中:作業時間を25分程度に区切る「ポモドーロ・テクニック」を試してみましょう。
3. デジタルツールの活用
- リマインダー機能:スマートフォンの通知機能を活用して予定やタスクを管理します。
- プロジェクト管理アプリ:TrelloやNotionなどを使い、タスクの進行状況を可視化します。
4. 支援体制の確立
- 家族や友人との協力:ADHDの特性を周囲に理解してもらい、必要に応じて助けを求めます。
- 専門家の支援:カウンセリングやコーチングを通じて、個別の状況に適した仕組みを検討します。
ADHD特性を活かす視点
ADHDの特性には課題だけでなく、ポジティブな面も多く存在します。以下のような強みを活かすことが大切です。
- 創造性:独自のアイデアや新しい発想を生み出す能力が高い。
- 情熱とエネルギー:興味を持ったことに対して集中力と情熱を注ぎ込める。
- 柔軟性:変化に対応する能力が高く、新しい挑戦を楽しめる。
まとめ
大人のADHDは、適切な支援を受けることで、生活の質を大きく向上させることが可能です。当センターでは、認知行動療法(CBT)を通じて、ADHD特性に適したスキルの習得と仕組み作りの支援を行っています。
大阪でADHDの症状にお悩みの方、またはご家族や職場でのサポートをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
認知行動療法カウンセリングセンター大阪店
https://osaka.cbt-mental.co.jp/
——代表者情報——
岡村優希
株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役
認知行動療法カウンセリングセンター代表
公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士
個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。
さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。
◆執筆書籍
「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版
「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房
◆テレビ出演
読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日
「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演
◆雑誌掲載
「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号
◆近年の講演実績
2024年2月21日
広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師
2023年2月9日
NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師
2022年7月6日
筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師
その他、学会発表多数
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