2024年05月07日
- メンタルヘルス
不登校のカウンセリング2
前回は不登校対応のカウンセリングを利用された際の情報の聴き取りについてまとめました。今回は不登校支援のその後の流れについてお伝えしてきます。不登校には発生要因と維持要因の2点を理解することが大切です。発生要因というのは原因のようなものです。不登校になったきっかけは何か。単一の理由もあればさまざまな要因が絡み合っている場合もあります。維持要因というのは、不登校状態が維持されている理由になります。例えば最初のきっかけは体調不良により1週間ほどの休みを余儀なくされたことだとします。1週間休んだ結果、人と関わることに気まずさを感じ学校に行けない状態が続くのが維持要因です。いずれの要因も特定することが難しい場合もあります。無理に特定することは負担にもなるため、不明なままカウンセリングを進めることもあります。進める中で分かることもあるためです。いずれにしろ不登校とひとことで言っても人の数だけ中身は異なりますので対策もそれぞれに異なってきます。抑うつ症状など何らかの症状が疑われる場合には、医療機関と連携して対応する場合もあります。医療機関に行くことで病気のラベルが貼られることを危惧される方もいますが我々はラベルを貼るために受診を勧める訳ではありません。困りごとは多角的に捉えた方が方針もその分増えやすことができるためです。
不登校支援において、「不登校のままでいい」といった意見をお聞きすることがあります。カウンセラーは不登校の良し悪しを考えるのではなく、学校に行けないことを含む生活の支障や負担を少しでも軽減できるよう考えています。教育の義務があるので何かしらの形で教育を受けることができるようサポートしたいとも考えています。学校に行きたいけれども行けないのか、そもそも学校以外にやりたいことを見つけたのかなど人によって異なります。全員を一色単に括って方針を決めるなど不可能なのです。なのでカウンセラーは時に再登校をサポートし、時に学校以外の選択をサポートします。あくまでご家族、お子さんと話し合ったうえでの決定です。注意しなくてはいけないポイントもいくつかあります。本当は学校に行きたくないのだけれども社会ルールや大人の方針に逆らえずに無理に学校に行く選択をとる場合もあります。そのような様子が伺えた際には安心して自分の想いを吐き出せるようサポートすることも大切になります。
今回は学校に行きたいけれども人の目が気になってしまい躊躇している場合の対策をまとめます。あくまで対策の一例でありすべての不登校で通用することではありませんのでご了承ください。人からの評価を強く懸念するお子さんは多いです。せっかく勇気を出して学校に行ったのにクラスメイトにからかわれてしまい傷つき再度学校に行けなくなるといった事態も起こる場合もあります。そういったことが起こらないよう学校とも協力して土台を整えておく必要があります。我々は学校と連携をとりながら不登校支援を行っています。実際は想像よりも嫌なことは起こらない安心できる空間であることを少しずつ確かめて行きます。最初は玄関の外に出るだけでもさまざまな想像が浮かび身動きがとれなくなる子もいます。そんな時はまずは、玄関に出て落ち着くまでその場で過ごすこともあります。ポイントは主体的にやることです。誰かに無理やりやらされることに安心を感じることはできません。不登校支援は「安心」と「主体性」が重要になります。どちらかが欠けるとうまくはいきません。お子さんが主体的になれていないのであれば、まずはそのサポートをしていく必要があります。次回の記事では「主体性」をテーマにお話をします。
認知行動療法カウンセリングセンターでは不登校支援に取り組んでいますのでいつでもご相談ください。
認知行動療法カウンセリングセンター大阪店
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