2024年04月26日
- 認知行動療法
社交不安症のカウンセリング(認知行動療法)
社交不安症は他者から注目を浴びるかもしれない場面に強い恐怖を感じる困りごとです。自分の行動や言動が他者から「変に思われる」「恥をかいてしまう」などと考え恐怖を感じてしまい、人とのかかわりや注目を集める場面を避けてしまうなど社会生活に支障をきたす困りごとです。どのようなことに恐怖を感じるかには個人差があり、人前で字を書くこと、面識がない人とのかかわり、同世代とのかかわりなど人によって対象や場面は異なります。対人場面における恐怖はいじめやハラスメントなど実害がある場合に出現するのは自然なことで、その場合には環境に直接働きかける支援も大切になります。社交不安症は多くの場合、実際よりも過度に捉えてしまう傾向があります。猫との遭遇が虎と遭遇したかのように恐怖心を抱いてしまうともいえるでしょうか。社交不安症は10代半ば頃になってしまう割合も多いですが、なかなか理解されず人見知りやシャイな人として扱われることも多いです。自然に良くなる確率は30〜40%で、多くの場合は社交不安の状態が維持されると言われています。社交不安症になってしまうと、日々誰かからの評価を気にするがゆえに気を休めることができなくなります。外出するのには勇気が必要となりちょっとしたことが頭に残り続けます。まるでずっとジェットコースターに乗っているかのような感覚で身体も緊張し続けてしまいます。この困りごとがあるがゆえにやりたいことも出来ず行動も限られた場所のみになってしまいます。次第に自己嫌悪が高まり、ますます人とのかかわりが億劫になることもあります。
社交不安症の改善には認知行動療法によるカウンセリングが役立ちます。認知行動療法ではまず現在の状態を把握するために心理検査と聴き取りを行います。これまで抱えてきた恐怖をしっかりとお聴きし、独りではなくカウンセラーと一緒に問題を共有します。困りごとだけでなく、恐怖を感じる中でやれてきたことについても注目をします。本当は避けたくてたまらなかったけどおもいきってやれたことや、なんらかの行動をしてみた結果、予想と違う結果になったことを振り返ります。これらの体験は相談者の強みやリソースとなります。問題をいかに減らすかも大切ですが、強みやリソースを引き出すこともまた大切になります。カウンセリングという得体の知れないサービスに思いきって申し込むこともまた一つのリソースなのです。問題と例外を整理しながら相談者独自の困りごとのパターンを明らかにしていきます。そうすることで怖さの核を発見することができます。モンスターと戦うゲームを例にすれば、まずはしっかりとモンスターの動きを観察し弱点を見つけるといったところでしょうか。一刻も早くなんとかしたいと思うかも知れませんが、しっかりと現状把握をすることは大切です。その後いよいよ改善に向けた動き出す訳ですが、ポイントは目の前にいる凶暴な虎だと思っている存在が実は可愛い猫であると気づくことにあります。最初はどう見たって虎な訳ですから、そんなことを言われても納得はできないでしょう。まずは自分の中の虎図鑑を完成させましょう。普段、さまざまな虎に遭遇しているかと思いますが、それぞれに大きさや色合いなどは異なります。まずは分類していきましょう。それができたなら、まだ向き合えそうな虎はいないかと検討をします。出来れば小虎くらいが良いかもしれません。具体的に言うと、駅で誰かに道を聞いてみるなどでしょうか。人によっては道を聞くことも大きな虎である場合もありますが。まずは自分にとっての小虎探しをしてみましょう。次に一歩踏み出して小虎に直面してみましょう。きっとこれまでさまざまなことを乗り越えてきたあなたなら実践できることでしょう。カウンセリングではカウンセラーと一緒に何ができるかを考えていきます。ここで大切なポイントは、ただただ耐えることではありません。一歩踏み出した結果が予想と異なり安心安全であったことを体験することです。その積み重ねが社交不安症状を軽減してくれます。認知行動療法カウンセリングセンターでは社交不安のカウンセリングをオンラインもしくは対面で行っています。いきなりの来談や顔を出してのカウンセリングが負担な方はぜひそのことをお伝えください。一緒に乗り越えていきましょう。
認知行動療法カウンセリングセンター大阪店
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